「赤ちゃんの湿疹とステロイド|頑張るママに伝えたいこと」
SNSが普及した今、皮膚状態が悪化した赤ちゃんの写真が話題になることがあります。
その多くが、ステロイドを使用しなかった結果、もしくは脱ステロイドをしたことによって、湿疹がひどくなっているのです。
「かわいそう。それ虐待じゃないの?」ママに対して厳しいコメントが飛び交い、ステロイドを使う派、使わない派の論争に発展します。
私もかわいそうだと思います。写真を見て悲しい気持ちになります。
ただ、「脱ステロイドをしたい」ママの気持ちもわかるんです。
なぜなら、私自身が赤ちゃんにステロイドを拒否したママだったから。
この記事では赤ちゃんとステロイドについて体験から書きます。
私がステロイドを赤ちゃんに使わなかった理由
私の子供は生後間もなく湿疹ができ始めました。
1ヶ月後には頭皮から足の先まで赤くじゅくじゅくとした湿疹が広がっていました。
1ヶ月健診の時がピークで、小児科医からステロイドを使うことを勧められたのです。
でも、使うことができませんでした。迷いながらも時が流れました。
どうしてステロイドの使用に抵抗があったのか?
その理由は、私自身が赤ちゃんの頃からアトピー性皮膚炎でだったからです。
私は皮膚の萎縮、毛細血管の拡張というステロイドの副作用を経験し、。
大人になってから、脱ステロイドをしてリバウンドも経験しました。
それでも、ステロイド否定派ではありません。ステロイドを適切に使いコントールする生活に切り替えて今でもステロイドを使っています。
ステロイドは適切な使用方法を守れば怖くない薬だとわかっています。
それでも、いざ、自分の赤ちゃんに使用する立場となった時に悩みました。
私が赤ちゃんの頃は、今より医学も発達しておらず、情報もありませんでした。
また、赤ちゃんの頃からステロイドを使っていたものの、当時は塗っている薬が「ステロイド」だということも認識していなかったのです。
だからこそ、もし私が今の時代に生まれていて、アトピー性皮膚炎と診断された場合、はたしてステロイドの処方が適切であると言い切れるのかわからないから。
だからこそ、
自分の子どもに自分と同じ思いをさせたくない。
できれば、一生ステロイドと付き合わない治療をしたい!と思っていたのです。
完治するまでの経過
1ヶ月検診の頃、湿疹のピークを迎えた娘ですが、生後2ヶ月頃から症状が一気に軽減しました。3ヶ月の頃には、かさぶたのように剥がれて、きれいな皮膚になりました。
実は……ステロイドは使っていません。。しかし、私のやり方が本当に正しかったのかどうかは、今でも悩む部分です。
結果として、娘の湿疹は落ち着いたものの、「もしも薬を使っていたら、もっと早く症状が軽減できたかもしれない」「子供に痒くてつらい思いをさせずに済んだかもしれない」と思うからです。。
また、ステロイドを使わないことで合併症を招いた危険性もあります。
娘は幸いにも合併症もなく、症状が落ち着きましたが、ステロイドを使わないことで、更なるアレルギーのきっかけとなったかもしれません。
自分もアトピー経験者で、現在でもアトピーと付き合っているからこそ、アトピー経験のない方より経過を観察する能力はあったかもしれませんが……。もしも、ピーク時の湿疹がそのまま治らなければ……ステロイドを使ったと思います。
アトピー性皮膚炎ではない赤ちゃんの湿疹
赤ちゃんの湿疹、かぶれが深刻化している状態を見ると、アトピーだと思う人が多いです。
でも、それ以外の病気も考えられます。
とくに生後1〜3ヶ月ぐらいになる「乳児脂漏性湿疹」は一過性の症状。頭や顔などに黄色いじゅくじゅくとした、かさぶたができるのが特徴です。
よく似た症状で新生児ざ瘡があります。白い膿を持ったニキビが顔を中心にできます。
どちらもママのホルモンの影響を受け、皮脂が増えることが原因で
生後2.3ヶ月〜半年ぐらいで症状が良くなることが多いと言われています。
私の子供の場合、全身に症状があったため、ステロイドを処方されました。
広範囲の場合、アトピー性皮膚炎の可能性もあると言われました。
しかし、乳児脂漏性湿疹と新生児ざ瘡は自然治癒します。
見た目は痒そうですがアトピー性皮膚炎ほど痒みはありません。
逆にアトピー性皮膚炎であれば痒みによる苦痛を伴いますし、なかなか治りません。
どんなに食事や衛生面に気をつけていても、発症することはあります。だかららこそ、保湿剤とステロイド剤が適宜必要だと思っています。
出産した産婦人科の1ヶ月健診は短時間の診察でした。
アトピー性皮膚炎と乳児脂漏性湿疹は治療方法も経過も違います。
我が子の場合はステロイドを使わずに完治したのではなく、
乳児脂漏性湿疹と新生児ざ瘡で、時期が来て自然治癒したのかもしれません。
しかし、その判断をするのはママには難しいです。
ステロイドを処方という判断に過敏に反応してしまいましたが
ちゃんと皮膚科にかかるべきだったと今は思います。
ママが正しい知識をもって、赤ちゃんの湿疹と向き合おう。
今、こうして体験談を書いていますが正しかったのか、わからないんです。
自然治癒することもある。放置して大丈夫というわけではありません。
これは、わが子の場合にだけ当てはまったことだからです。
だからこそ、どんな皮膚疾患も、どんな薬も、その子にあった使い方や時々の症状に合わせて治療を行う必要があるのです。
「ステロイドは怖い。子供に使ったらダメ」
「一度使ったら、やめるとひどくなる」「副作用は治らない」
こんな言葉が出てきます。不安になりますよね……。
たしかに、ステロイドには副作用があり、扱いが難しい薬です。
実際に私も、誤ったステロイドの使い方をしてしまい、ステロイドの使い方にひどく悩まされました。
でも、正しい使い方をすれば闇雲に怖がる必要はありません。
私がステロイドの副作用を経験したのは、誤った使い方をしたからです。
情報も乏しく、副作用が問題になっていない時代でした。
部位に適した強さのランクを、適したタイミングで使うことで副作用が防げます。
今、私は副作用もなくコントロールできています。
当時より、ステロイドは慎重に扱われています。
アトピー性皮膚炎には日本皮膚科学会の診療ガイドラインがあります。
参考:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2018
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf
ブログやSNSで多くの体験記が書かれています。
でも、子供の肌の状態はそれぞれ違います。体質も環境も違います。
だからこそ、まずは医師や専門家の意見を参考にして下さい。
そして、適切な診断と処方、薬の使い方を指導してくれる医師と出会うことが大切です。
そのためには、受け身ではなく、ママも正しい知識を持つことが大切です。
納得できるまで医師に相談しましょう。
「本当に信頼できるのだろうか?」医師の診断が受け入れられないときは、セカンドオピニオンを検討してもいいのです。
そうすれば不安や怖さがなくなります。
まとめ
赤ちゃんの皮膚症状がひどい時は、辛く悩む毎日を過ごしていました。
「このままでいいのだろうか……」と、症状に一喜一憂していました。
ステロイドを使用しているママも、脱ステロイドをしているママも
可愛いわが子のために頑張っていると思います。
でも、ママ一人で頑張らないで下さい。
思いつめてママの笑顔が消えてしまわないように。
赤ちゃんにとって、ママの笑顔も大切な薬です。
悩んだり迷ったら、医師、薬の助けを上手に借りて下さい。
赤ちゃんの場合、合併症やアレルギーの予防にも繋がります。
少しでも穏やかな日常が過ごせますように
赤ちゃんの症状とママの心が軽くなることを願っています。