妊娠中の肌のかゆみは皮膚科?産婦人科?かゆみの原因と対処法も解説

それまであまり気にしたことがなかった方でも、お肌が痒くなるなど妊娠中に肌トラブルが起きることがあります。
痒くてかきむしってしまったり、夜中に眠れないほど痒くなる…こうなってしまうとストレスや睡眠不足にも繋がるので、できるだけ早めに対処したいですよね。
妊娠中にかゆみなどの肌トラブルがあるときは、皮膚科・産婦人科のどちらを受診しても大丈夫ですよ。
ただ、産婦人科の医師が皮膚科を紹介する場合もあります。また、皮膚科を受診するときは、お薬手帳と母子手帳(交付済みの場合)も忘れずに持参しましょうね。
ひどいかゆみがあるときは、まずは病院を受診することが大切ですよ。我慢して悪化する前に病院へ行ってみましょう。
この記事では、妊娠中にかゆみを引き起こす病気とお薬について解説したあと、自宅でできるスキンケアのポイントもご紹介しています。
それではさっそく、妊娠中にお肌が痒くなる病気について見ていきましょう。
妊婦さんが気をつけておきたい皮膚の病気
妊娠中はホルモンバランスの変化も大きいため、体質が変化しやすい時期でもあります。
ここでは、かゆみの原因にもなる妊婦さんの皮膚の病気を3つ解説します!
1.妊娠性痒疹(にんしんせいようしん)
妊娠性痒疹は妊娠3~4ヶ月頃に発症することが多い病気です。皮膚にはポツポツと小さな盛り上がりができて、ひどいかゆみもあります。
発症するのは2回目以降の妊娠期間中が多いのですが、初めての妊娠で症状が現れる方もいます。
治療には主にステロイドの塗り薬が使われて、出産後にかゆみなどの症状がおさまる場合が多いです。
2.妊娠性疱疹(にんしんせいほうしん)
妊娠性疱疹は妊娠中から出産後8週間までの女性に起こる病気ですが、発症する割合は比較的少ない病気です。
皮膚に目立った異常がないのにかゆみやチクチクとする感じがして、かきむしってしまうこともあります。
治療には主にステロイドの塗り薬が使用され、多くの場合は出産後に症状がおさまります。
3.多形妊娠疹(たけいにんしんしん:PUPPP)
多形妊娠疹は妊娠後期(28~40週)に起こる蕁麻疹のような病気です。激しいかゆみがあり、初めての妊娠のときに多く見られます。
双子の場合などで発症する確率が高まる傾向がありますが、妊娠性痒疹よりも頻度の少ない病気です。
原因はまだはっきりとわかっていないため、症状に合わせた治療が行われます。出産後すみやかに回復する場合が多いとされています。
ステロイドは妊娠中に服用しても大丈夫なの?
ステロイドと聞くと副作用について不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。特に妊娠中はお腹の赤ちゃんのことを考えると、薬の使用にも敏感になりますよね。
でも、ステロイドの塗り薬は怖いお薬ではありませんよ!
ステロイドの「飲み薬」は身体中に薬の成分が届くので、効果も強い分、副作用にも特に注意が必要です。でも、妊娠中の肌トラブルの場合に使われるのは「塗り薬」が多いんです。
適切な強さのステロイドの塗り薬を正しく使用すれば、効果を得ながらも身体中へ吸収される量はとても少なく抑えることができます。だから、副作用も比較的少なくなるんですよ。
ただし、症状が良くなったからといって、自己判断で薬をやめると再発の可能性が高まる恐れがあります。
医師の説明をよく聞いて、適切に使用するのが大事なんですよ。
妊婦さんにおすすめ!自宅でできるスキンケアのポイント
ここでは、肌トラブルの悪化を防ぐために自宅でできるスキンケアのポイントをご紹介します!
ホルモンバランスが乱れやすい妊娠中だからこそ、いつもより気をつけてみませんか?
①塗り薬を塗った場所には、市販の保湿クリームなどを重ねない
これは、塗り薬の安定性や吸収性が変化しないようにするためです。病院で一緒に処方された保湿剤の場合は、医師の指示通りに使用しましょう。
②入浴・シャワーのお湯は38~40℃くらいにする
お湯が42℃以上の場合は、余計にかゆみを引き起こしやすいとされています。熱いお湯はお肌の脂分も奪いやすいので、少し低めの温度にしておくのが良いですよ。
③お風呂の後はすみやかに塗り薬・保湿剤を塗る
入浴後は急激に皮膚の水分が蒸発していきます。そのため、汗やほてりが収まったら早めに塗り薬や保湿剤を塗って、乾燥を防ぎましょう。
まとめ
この記事でご紹介した内容について、ポイントをおさらいしてみましょう。
- 妊娠中に皮膚のかゆみを引き起こす病気には妊娠性痒疹や妊娠性疱疹・多形妊娠疹など様々なものがある
- ステロイドの塗り薬は医師の指導のもとで適切に使用することが大切
- かゆみなどの肌トラブルがあるときは、自宅でも次のポイントを意識すると良い
- 処方薬を塗った箇所には市販のクリームは重ねない
- 熱すぎないお湯で入浴する
- お風呂から出たら早めに保湿する
かゆみなどの肌トラブルがひどくなると、イライラしたり気分が滅入ることも多いので本当に辛いですよね。症状がおさまらないときは早めに皮膚科などを受診しましょう。
この記事を最後まで読んでくださったあなたが、より穏やかにマタニティライフを楽しめることを願っています。